TERM / 通信基本用語

■ 伝送路符号

単流と複流

単流方式

0と1を電圧の有り・無しで表現する方式です。電位0が0を、電位Eが1を表すとき、0と1を識別する基準となる値(しきい値)は、0とEの中央になるため、伝送中にノイズ等の影響により受信電位が変動した場合、0と1の識別に誤りが入りこむ可能性が高くなります。ノイズ等の影響を受けやすいため、主に近距離の通信に利用される事が多くなっています。

複流方式

0と1を電圧の極性(電位E、電位−E)で表現する方式です。この場合、しきい値は電位0となります。0と1を単にプラスとマイナスで表すため、ノイズ等により受信電位が変動した場合でも、単流方式に比べて安定したデータ伝送がおこなえます。

RZ(Return to Zero)方式

単流RZ方式の場合、0を電位0で、1を電位Eで表します。この方式は、ビットとビットの間に、必ず電位0挿入します。ビットごとに電位0に戻るので、タイミングがとりやすい利点があります。(図の例は単流方式の場合を示します。)

NRZ(Non Return to Zero)方式

名前の通り、RZ方式と違い、ビット転送ごとに、電位を0に戻しません。その他のはRZ方式と同じです。RZ方式に比べパルス幅が広くなり、高調波成分が少なくなるため、伝送帯域幅が少なくすむ利点があります。(図の例は単流方式の場合を示します。)

NRZI(Non Return to Zero Inversion)方式

0のとき電位を反転し、1のとき変化させないことで、0と1を表します。一般的には受信側でデータからクロックを抽出する通信などに用いられます。(図の例は複流方式の場合を示します。)

AMI符号(Alternate Mark Inversion code)方式

0を電位0で、1を極性を交互に換えて表します。このことにより波形が交流信号に近くなり、ノイズ等に強くなるため、安定したデータ伝送が可能です。バイポーラとも呼ばれます。

CMI符号(Code Mark Inversion code)方式

もとの信号の1ビットを2ビット符号に変換してから伝送します。0は10で、1は11と00で交互に表します。無信号状態がないため、同期がとりやすい利点があります。

マンチェスタ符号方式

CMI符号と同じくもとの信号の1ビットを2ビット符号に変換して伝送します。0は01で、1は10で表します。CMI符号同様に無信号状態がなくなりますが、信号が1ビットずれると1の連続信号が0の連続になる欠点があります。